株式会社コミュニティネット

まち、住まい、ひと。住むひとの目線で、暮らしをトータルサポート。

ダメダメ社長ブログ

2016年05月21日

自治体をめぐって考えたこと、気づいたこと

こんにちは、高橋英與です。

現在、日本全国を「行脚」しています。北海道から始まって九州まで。各自治体の首長、職員、地元の福祉事業者、大学関係者、商店街の方々などとお会いしてヒアリングを行い、プロジェクト候補地を視察し、さらに議論を重ねるという毎日です。国から自治体に供出される「地方創生加速化交付金」(「1億総活躍社会の実現に向けた緊急対応」として昨年度創設)の対象となっている、そして「地方創生新型交付金」(地域再生法に基づいた、地方創生を深化させるためのもの)をこれから申請する自治体のうち、どこと協力してまちづくりを行うか。それを検討することが目的ですから、議論はときに熱を帯びます。

「コミュニティネットがこの自治体と一緒にやっていけるかどうかを検討する」とは、「自治体がコミュニティネットとうまくやっていけるのか」を判断することでもあります。話し合いのテーブルには、自治体から首長をはじめとする職員、こちらから社長であるぼくとスタッフら、互い複数の人間が相対するので、さらながら合コンのようでもありますが(笑)、両者の相性が合わなさそうであれば、やんわりとお別れする合コンとは違い、何とかお付き合いするにまでこぎつけようと、意見をぶつけ合うことがしばしばです。

自治体とコミュニティネットとの間では、意識の違いから次のような齟齬が生じます。

自治体にしてみれば、地方創生事業に使うお金は国からもらうものであり、たとえ事業がうまくいかなくても、自治体の財政や職員の給与には直接響きません。一方、民間企業であるわれわれは、地方創生のためにカネ・ヒト・モノの資源を先行的に投入します。しかも、受託事業がうまく事業化できなければ、コンサル料はすべて返す覚悟でやっている。公的な事業だから、返す必要はないだろうといわれるかもしれませんが、それらお金の出所は、あなたやわたしの税金であり、それが地域住民のための事業として使われなかったとしたら、受け取れないと思っているのです(これまで数多く打ち出された地方活性化のための補助金はいったいどこに消えてしまったのでしょう?)。

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議論は真剣勝負です。

人口の減少はもはや止めようがありません。そうしたなかで、多くの若者を呼び込む、商店街を活性化させるといっても、夢物語に過ぎない。ましてや、全国の自治体が「うちはいいところですよ」と、首都圏を中心に移住者を募っている現在、小さな自治体は、自らがもつ潜在力を生かし、そこでしかできない、突出した「オンリーワン」かつ「ナンバーワン」を打ち出すしかないとぼくは思います。

えてしてそこに住む方々は、地元の素晴らしい資源に気づかないことが多い。それをよそ者であるわれわれが掬い上げ、育てるサポートをしていくわけですが、その際に生じる問題は、行政側が「それは自分たちだけでできる(コミュニティネットはわれわれのできないところだけ手伝ってくれればよい)」、もしくは「それではこの事業をコミュニティネットがやってくれ(われわれにはそのために出すマンパワーもお金もない)」といった姿勢になることです。前者は自信過剰気味、後者は他人任せといえるのではないでしょうか。

ぼくが地方創生について常日頃申しあげているのは「総力戦」です。人口減少に加え、経済成長は期待できず、社会保障をはじめとする世の中のセーフティネットが脆弱になっていくなか、行政、民間企業、大学、住民らがスクラムを組んで立ち向かわなければ、にっちもさっちもいかない状況が近い将来、われわれのもとを訪れるのは間違いありません。

そう思って焦るあまり、ぼくは自治体の方々に対して、きつい物言いをしてしまうことがあります。相手の本音を引き出そうと挑発的なことを言って、相手をキレさせてしまったこともありました。

ですから「行脚」の後半は、相手の表情を見ながら、その都度言葉を選び、「(地域包括ケアの現状について)彼、彼女らが言うように問題がないのか」「本当は日々の業務が忙しいなか、困りごとを抱えているのではないか」「とすれば、それは何なのか」といったことを探るようになりました。ある大学関係者の方々と話し合った際、「ぼくはとても気を使い、慎重に話している」と申し上げたら、理事長から「それでも遠慮されていたんですか」と切り返され、その場にいる全員が爆笑になったこともありましたが(笑)。

これまでいろいろすったもんだがあったものの、ぼくたちがお会いした方々の多くは、議論を重ねるにつれ、目に見えて表情が豊かになり、本音の言葉が増えていきました。それを見てぼくはその地域がますます好きになり、最後には「日本の地域が抱える問題を一緒に乗り越えていきましょう」と固い握手を交わしています。

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プロフィール

(株)コミュニティネット
代表取締役社長 高橋英輿
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1948年
岩手県花巻市生まれ。
(株)CAOS建築設計勤務の後(株)連空間設計を設立し代表取締役就任、コーポラティブハウスづくりを手がける。
1983年
任意団体生活科学研究所を設立、代表に就任。
現在はNPO生活科学研究所の理事。
1987年
株式会社生活科学研究所を設立し、高齢者住宅や有料老人ホームづくりに本格的に携わる。
1988年
社団法人長寿社会文化協会常務理事事務局長に就任(翌年退任)。
1998年
生活科学運営代表取締役就任。
2001年
(株)生活科学研究所を(株)生活科学運営に一本化。
2003年
社団法人コミュニティネットワーク協会常務理事就任。
2005年
株式会社生活科学運営の経営を若手に移行し名誉顧問となる。
2006年
株式会社コミュニティネット 代表取締役に就任。
社団法人 コミュニティネットワーク協会副理事長就任。
2008年
株式会社生活科学運営 名誉顧問 退任。
2011年
社団法人 コミュニティネットワーク協会 副理事長 退任。
2012年
~ 現在に至る

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